2006-01-01から1年間の記事一覧

インテリア

やはりウディ・アレン監督。最初の静かな、珍しく沈黙の多いシークエンスがすごくよかった。この人は意外に沈黙したショットだけでもストーリーを見せる才能もあったのかと思ったが、結局そこからいつものお喋りになってしまうのは残念。しかし本人が出てこ…

アニー・ホール

「マッチ・ポイント」観に行こうと思って予習で観たのに、結局「マッチ・ポイント」観られなかった。ウディ・アレン監督のかなり私的でナルシスティックな映画。あまりナルシスティックでセンチメンタルなものでいけすかないのだが、どうもこの人の才能は、…

死刑台のエレベーター

ルイ・マル監督。マイルス・デイビスmeets映画という文脈でのみ語られてきた映画で、なんでだろうと思っていたが、観てちょっと判った気がする。キーとなる主人公二人の愛がこう、あまりにも説得力のない台詞と映像で、観てて恥ずかしかった。それからミステ…

欲望

やはりアントニオーニ監督。なぜに欲望なのか、邦題がいまいち気にくわないが、今まで見てきたアントニオーニの中では一番個人的つぼだった。作風が違うというよりこの人のちょっとひねくれた構図の取り方は、イタリアよりもイギリスが似合っていたのではな…

歳末大処分祭2

もう書かないと偉そうなこと言って書きます第二弾。 第一弾も見てね。 http://d.hatena.ne.jp/eupketcha/20061230

やはりアントニオーニ。やりたいことはカサヴェテスのフェイセズと同じなのかもしれない。もしそうならフェイセズの方がいいと思う。ストーリー自体はものすごく格好いいのだが、手法としてあまり抽象的で客観的な風景ばかりを映すのが、ラストの主観的な不…

さすらい

ミケランジェロ・アントニオーニ監督。ラストは「回路」の元ネタなんだろうかと思った。ひょっとしたら黒沢清はアントニオーニに影響を受けている?本当にそう言い切っていいかどうかよくわかりませんが、この映画に限っては何となくそんな風情を感じた。シ…

非情城市

候考賢監督のやはり、ミニマムな描写で紡いだ大河。これもいい映画だしどのシーンも構図が素晴らしく好きなんだけど、どうしてもなぜそこを執拗に映してあちらを全く映さないかと気になるときがある。今までみたこの人の映画でもいつもたまにそういうことを…

アブラハム渓谷

つい先日、後輩たちに誘われて何か映画観ましょうと。彼らがいい映画を観たいと言ったので、DVD買ってはいたが、放置しておいたアブラハム渓谷を観ました。監督マノエル・ド・オリヴェイラ。僕は正直今までナレーション映画を馬鹿にしていました。しかしそれ…

歳末大処分祭1

まったく国試の勉強が進まないので、年内をもちましてしばらくブログ休もうと思います。 愛読者(存在自体が怪しい)の皆様、また2月にお会いしましょう。チャオ。 年内のうちにたまった感想を処分しておきます。

さかさま

カルタゲナー症候群という病気をご存知だろうか。有名な症状の1つが、内臓逆位症だ。肝臓が左について、胃が右についている、脾臓も膵臓も右についている。あのブラックジャックが手こずってピノコに鏡を持ってもらって手術をしたことで有名な「奇形」であ…

卒業試験終了_「受験生」化

卒業試験終わりました。昨日の打ち上げで二次会まで50人近い人たちが残っていたのは凄かった。壮観でした。あまり喋れなかった人もいて残念でしたが、ああやってビール掛け合いっこした人たちや狭い部屋にぎゅうぎゅう詰めになりながら亀田ランダエダ(録画…

木枯らしとともにやってくる、それは食欲

今日は試験会場にやって来ると「げっそりしたな」と言われてほくそ笑む。この一週間くらい、例の胃腸炎のせいで食欲が湧かず一日一食以下の生活を送ったためである。OMRONのせいでもある。まあでもほくそ笑んでいるとさすがに気持ち悪かろうて、とりあえず返…

下駄の降る日・夢

卒業試験もヤマを越えてきました。ふと空を見上げると大きな下駄が、どんがらがっしゃん景気のいい音をして降ってきました。あっちにも。こっちにも。あれよあれよと言う間にもう一面の下駄世界。しかし、どういうわけか下駄が降らない半径1mがあって、それ…

こんなにも寒さに弱かったかと、カイロ買う

感染性胃腸炎は一段落して新たな問題が発生しました。なんか太ももからお尻の坐骨結節のあたりにかけて非常に痛くて椅子に長時間座ってられないんです。レストレスレッグのように、脚をひたすら動かしてみて安住の地を探せど見当たりません。横になってもだ…

ギル・エヴァンスと体調不良

金曜の夜から日曜の朝まで飲んだくれていたら見事に体調が悪くなった。あれだけここ数ヶ月病気の勉強をしてきながら、自分の病気の鑑別もおぼさかなくて情けなくなる。流行っているということで、とりあえず「感染性胃腸炎」ということにした。そういえば、…

体重計

ふと気付くと、三井住友VISAカードをちょくちょく使って貯めて来た、名前だけは壮大なワールドプレゼントポイントちゃんが、先月あたりから6ポイントづつくらい、期限切れで消えて行っているのだった。私は世界に対して無神経であった。相手にされないと寂…

太陽はひとりぼっち

今からもう六年前、昔住んでいた寮の、大先輩にあたる人が連れて行ってくれた早稲田のバーで、その教え子がマスターをやっているのだが、これがまた映画好きで、僕も映画好きなんですって言ったら貸してくれたのが「アントニオーニ 存在の証明」という本だっ…

硫黄島からの帰還

たまたまサークルの先輩に『硫黄島からの手紙』(イーストウッド)の大学内試写会の誘いをもらい、観に行きました。 その二日前に予習として『父親たちの星条旗』(イーストウッド)も観ました。 どっちも珍しく大勢の人たちを誘ったのです。 大勢連れて来て…

Let's get a 下駄

小児科の試験がわずかに6割に届いていない私はそれはもう必死になって下駄を探したのでございます。 あのー、このあたりに誰にでも下駄を授けてくださるという噂の大変ありがたいおひとがいはると小耳にはさんだんやが、いったいどこにいはるんでしょうか?…

祝10000アクセス

いつもご愛読ありがとうございます。 折角の10000アクセスなのに、くだらないネタしか思いつきません。 今、小児科の勉強をしていますが、呻吟という単語がでてきました。 呼吸困難のときなどに発するうなり声のことのようですが、どう読むかわからない。 で…

久しぶりです。

この一ヶ月は有言実行をモットーに映画を撮っていたため大変忙しく、ブログ書くのおろそかになってました。 本当はそういうときのブログこそ、心境の変化の緊迫感があって面白かったんでしょうが。HDVを使ったおかげでかなり綺麗な絵が撮れました。 皆様の評…

どろろ

監督塩田明彦、主演妻夫木聡、柴咲コウ(この役は宮崎あおいの方がいいと思う)で映画化されるらしい、手塚治虫の妖怪もの「どろろ」。映画公開前に読んでみた。(僕の大学の医学部図書館には手塚治虫全集があって、その前のソファは密かにこの建物の最大の…

今週は精神科の勉強をしました。

例えば僕は昔から鋏が上手く使えなくて、紙を切ると必ずどこか曲がってしまう。いまだに靴ひもはうまく結べなくて、1日何回もひもを結んでいます。ねぎの小口切りはいくらやってもできない。これをひとは不器用と呼ぶ。ところが素晴らしき偉大なる精神科学…

報告

昨日、医師国家試験に受かったのちの進路が決まりました。2年で2つの大学病院を渡り歩く、来年から始まる新コース。一部の先輩、同輩、後輩から馬鹿にされてますが、研修で最も重要なのは「出会い」だと考えた私としては、どれだけ雑用が多かろうが、どれ…

パビリオン山椒魚を見てきました。

「シネフィル」方面から微かに絶賛の声が流れてくる冨永監督の長編デビュー、「パビリオン山椒魚」見てきた。 センスがあるという大方の意見には同意するものの、それ以上の情報は得られなかった。 それでもこの人の今後に期待を寄せざるを得ない所に日本映…

月が綺麗なので、たまには恋の話でも

一昨日会った人に心理テストしてもらった。心理テストにも著作権があるのなら、訴えられるかもしれないが、駄ブログなので許してください。 Q あなたは旅のお供に五匹の動物を連れています。しかし、食糧が尽きてしまってあなたは一匹ずつお別れして行かなけ…

新T大病院観光名所

卒業試験が終わってT大病院での実習生活が再び始まる。この九月から稼動し始めた新診療棟のおかげで、ただでさえ複雑だった病院内の構造がさらに複雑になっている。毎日迷宮を冒険しているみたいでルンルンだ。倍増した手術室や新しい救急部を見学するのも楽…

喰って喰って喰いまくれ

食欲の秋と言えば今も思い出す、「グリード」というC級怪物映画の売り文句。食欲の秋・喰って喰って喰いまくれ!映画は本当にひどかったが、このキャッチフレーズはうけた。そして私は秋になると暗示にかかったかのように喰いまくり始める。今年もまた始まっ…

卒試験終了に関して一言二言三言四言虚言妄言

(打ち上げから飲み続けていまだに酔いが醒めない。腹が痛い。苦しい。タスケテクレ。眠れ。いや眠るな。やっぱり眠れ。ダメダ!) 安部公房もかつて苦しみ一年卒業が遅れてしまった、長大でかつ凶悪な卒業試験群の前半戦がようやく終了した。 僕個人として…