さすらい

      さすらい [DVD]
 ミケランジェロ・アントニオーニ監督。ラストは「回路」の元ネタなんだろうかと思った。ひょっとしたら黒沢清はアントニオーニに影響を受けている?本当にそう言い切っていいかどうかよくわかりませんが、この映画に限っては何となくそんな風情を感じた。シーン個々で観るといいシーンがたくさんあり、ああこの人はこういうのがやりたいのかと何となくわかったが、映画全体としてはそれぞれの登場する女性の話がちぐはぐな印象がある。「さすらい」(原題il grido は「叫び」という意味。こちらの方がこの映画にしっくり来る。あれ、そういえば黒沢さんの新作も?)と言う程さすらった印象も少なく、もう少し長い映画にすればよかったんじゃないかと感じた。