十三人の刺客

eupketcha2010-10-16


(ネタバレ注意)
三池崇史の「ワイルド・バンチ」と言われては、三池ファンでもあり、ペキンパファンでもある私が見に行かないはずはない。確かにこの写真からしてワイルド・バンチとかぶっとるわけで、血湧き肉躍って鼻血が出そうになりながら見に行ってきた。
序盤は本格派時代劇といった感じで、溝口の『元禄忠臣蔵』や、山中貞雄の『人情紙風船』すら思い出させるシーンが続き、三池監督の映画知識の深さに感心させられた。ところが稲垣吾郎の出色の狂いっぷりにこりゃちょっと変だ、普通の時代劇と違うと思い始め、古田新太が出て来ていよいよ雲行きが怪しくなり、そうこうしているうちに、正真正銘ワイルドバンチ伊勢谷友介が出て来てようやく映画の方向性が決定的になって、ペキンパばりの血の海ラストへバイオレンスに継ぐバイオレンスとなる。
相変わらず多作な作家。ついこの間、ゼブラーマン2をやり、クローズZEROをやり、ヤッターマンをやっていたかと思ったら、今度はこんな玉を持ってくるとはなあ。どれだけエネルギーがあるんだろうか。本当に関心してしまう。
わがままかもしれないが、女性の描き方はやや不満足ではある。あのラストの落とし方は安易なカタルシスではなかろうか。また吹石一恵はなぜ二役である必要があったのか。そういえば、三池は女性を描くのが苦手なのかもしれないなとか思いつつ、あらためてyoutubeワイルドバンチを観てみると、女性を楯に撃ち合いをしたり、bitchと言いながら撃ち殺したりしているではないか!そのすさまじさに口が思わずあんぐりしてしまった。結論としては、ペキンパはやっぱ凄かったということです。