I Love UK 『おろち』

久しぶりのユーロスペースで、「おろち」(2008 鶴田法男監督 原作 楳図かずお)観てきたけど、あまり楽しくなかった。楳図かずおの映画化はまあ難しいよね。主人公おろちはもっと可愛いキャラで描かなければいけなかったと思う。その点、木村佳乃の仮面のような美形顔は楳図漫画らしくてよかった。この美形が崩れてしまうのかという恐怖。

映画はつまらなかったけれどもすっかり最近楳図漫画にはまっている。「あ!」っていう言葉の使い方が好きだ。「あ!」って言っている人が見たものも確かに怖いけれども、「あ!」って言っている人の顔がとにかく怖い。「おろち」シリーズは絵の力の入り具合に加えて、ストーリーの気合いの入った作り込みに驚かされる。特に「骨」のハードボイルドな展開とあのシュールなラストが感涙ものであったし、「ふるさと」のあの子供たちの恐ろしさはジョン・カーペンターに是非映画化してもらいたい。UMEZZ天才だと思った。I LOVE UK! 「14歳」の愛蔵版とか出てくれるとうれしいなと日々思っている。

ところで楳図が育った街は実は僕の出身の街と同じである。「赤んぼ少女」の中にもちらりと出てくる。中学校の頃、近所を歩き回るUK氏を何度か見かけたこともあった。あの頃は変な漫画書く人しかこの街の有名人はいないなと残念にすら思っていたものだったが、今思えば、UKと出身が同じだなんて誇らしい限りである。訴えられても頑張ってほしいと思う。ぐわし