ハプニング

ネタバレ注意

僕にとってシャマラン映画は概して不味い。しかし、青汁のようにもう一杯求めたくなる魅力ある不味さだ。これはまさしくB級映画の魅力だ。そんな彼の映画を今まで世間がA級映画と勘違いをし、老若男女楽しめる映画扱いをしてきてくれていたのは他でもない、あの何とも言えない、ときに馬鹿みたいな、「大どんでん返し」があったからだ。ところが今回は「大どんでん返し」がない。このことそのものが「大どんでん返し」であるという論法も可能だが、つまるところ彼は迎合するのをやめて、終始一貫したB級映画を作ってしまったのだ。しかもこの内容の鬼畜っぷり(ライオンとか、草刈り機とかそういう)は、ゾンビすら彷彿とさせよう。先人があまり指摘してこなかった「怖さ」を追い求める姿勢にも共感する。今後もう少しはじけて馬鹿な事を思いついてくれる事に期待したい。あまりそう言った趣向のない方にはすすめにくい、実に不味い映画である。