死んでからじゃ遅い

オリジナルよりも先に知って時に口ずさんでしまうRCサクセションの『サン・トワ・マミー』はどこで覚えたかということを忌野氏の死後、あわてて調べ始めて、ああ『やっぱり猫は好き』だったのかと気づいた。小学校の頃、このTVドラマをちらちらと見て以来氏の歌を聴けば必ず耳に残っては口ずさんで、口を尖らせて「ひるまのぱぱはぁ」なんて歌マネなんかしてみたりしていたのに、一度も曲を買ったりして通しで聞いたりしたことがなかった。ま僕にとって音楽なんてそんなものだったのかもしれないが、4年程前、柄になく行ってしまったフジロック清志郎があの齢にして「よぉーこそ」なんて歌っている姿に出会えてもう無性にこれがロックだといちころにされた。そのときは間違いなくされた!いちころだった!でもそのライブすら、何と言うこともなくそのときのその感動すら祭りの疲れとともに落ちて、忘れ去って四年過ぎ、氏を喪失。途端にあの感動がよみがえって、改めてYouTubeを眺めながら、この人本当に凄かったんだなと思い直して納得する。そしてむなしく思う。死んでしまってからじゃ遅すぎるんじゃなかろうか。なんでもっと前に気づかなかったのか。「やっぱり猫が好き」を見ていたあの二十年程前からその徴があったにも関わらずだ。これじゃ悼むにも悼みきれないじゃないか!

そんな反省もつかの間に、マイケルジャクソン死去である。YouTubeWikipediaを巡り、こんな凄い人だったのかと、わき起こるのはひたすらにむなしさである。『Black or White』ミュージックビデオ一つ見るだけでも、楽しすぎる。どうなってんだ、なんで死ぬ前に気づかなかったんだ!死んでからじゃ遅すぎる!悼む資格がない。残念だ。

もっと頑張って生きようと思う。アンテナを広げんと