内視鏡

消化器内科の研修で一番楽しかったのは何と言っても内視鏡であった。何が素晴らしいかというと、ハンドルを上に回すと画面が下降し、下に回すと画面が上昇するところである。わかるだろうか?別にわからなくても結構であるが、この擬似パイロット感覚に私は非常に興奮した!迫り来る幽門!そこを抜けて広がる十二指腸の世界!わかるだろうか?

僕にこのパイロット感覚を伝えた僕のはじめてのオーベン(指導医)とは、消化器内科の謎のイベント・地引網の帰りの貸し切りバスの中で酔っぱらいながら、宮崎あおい結婚のショックについても熱く語りあった。宮崎あおいの結婚はつまり、時代が終わったような感覚なのである。天皇が逝去したような感覚なのである。次の時代は黙っていても来るのに、それに耐えられないような、そんな感覚なのである。僕のはじめてのオーベンが気の合う人でよかった。こうして消化器内科の研修が終了した。