暑中お見舞い

夏が来たって感じですが、皆さんひからびてないですか。僕はちょっといい感じに狂ってきました。そう、昨日ふっとベランダに出たら平日の朝から隣のビルの階段で男女が抱き合っていました。夏が来ました。夏→暑くて仕事にならない/だらだらと過ごす/変な時間の使い方をする→そして皆だんだん狂ってくる というのが、僕の典型的な夏の人間行動パターンイメージです。だからあのビルの階段の男女も僕には夏の到来に映りました。俳句でも作ってみようかと思いましたが上手く行きませんでした。


よく言うあつがなついねとかいう文言も小さい狂いのいいあらわれ。最も端的に狂ってくるのは服装でしょうか。自分のことは棚上げにして言えば、そこら中で狂っているとしか思えない格好してるんですが、暑いからね、しょうがないね、それが夏。南国、赤道に近い国ほど暴動が多いらしいし、そういえばマイケル・ダグラスが暑くてぶち切れるくだらない映画がありましたね。殺人ものも、ホラーも至極当然のごとく夏が似合う。怪談が夏と相場が決まっているのも、納涼という理由以前に、昔から夏に狂った人たちがよくあらわれたからじゃないだろうか。


僕はちょっと解剖学に狂っています。表面上は国試勉強を装いつつも、全然関係ありません。広い医学の分野の中でもマクロ解剖学はおそらく唯一といっていいくらいこれ以上どこにも進歩しないソリッドな知識。そういう潔癖症的完全無欠感に憧れます。(ほら狂ってる)にしてもちょっとゆっくりやりすぎてていい加減焦ってきましたが、焦りは夏にどうしてこんなに似合わないんでしょうか。夏に焦るなんて最低だと思いませんか。欧州のバカンスというのは夏の狂いを肯定的にとらえた大変いい習慣だと思います。気分だけはバカンスでいたいです。Nominaに溢れたバカンス。梨状筋、閉鎖管、蝶形骨、解剖学的たばこ入れ、烏口腕筋、ハムストリングス。なかなか楽しそうでしょう。皆さんはいかがおすごしですか。