うちの親

先日、ちょっとしたことで親と喧嘩になった。夏の模試はうけないと言ったら、そんなのありえない、すぐに成績を出して親を安心させろと言う。そんな、今出したら成績悪すぎて不安をあおるだけだよと言ったら、ならなおのこと模試をして勉強の励みにしろと言う。僕は模試は夏にちゃんと勉強してから受けたいという。平行線をたどり、ついに鬱陶しくなって「はいはいわかったよ!こんな親だとは思ってもみなかったわ!」と捨て台詞を吐いて電話を切った。


「こんな子供だったら、すぐ追い出してそれでおしまいだ。」という言葉をふと思い出した。父親が昔非行少年のニュースを見ながらぼそっと言った言葉だ。本人はどう思って言ったかしらないが、卑屈な少年eupketchaはこの一言を脅迫と受け取り、震え上がって、すっかり反抗期などなく中学高校と過ごした。それぐらいインパクトがあった。単純に放り出されたら行く先は思いつかなかったというのもあるし、世話してるんだから反抗するなんてありえないという論理は妙に納得できたという面もあった


電話の晩、僕はふて寝しながら悶々と考えた。はじめのうちは言ってやった満足感に酔いしれたが、だんだん後ろめたくなってきた。今度こそあの言葉が実現されるかもしれない。そうすると生きて行けるかな。今更バイト再会させるのも面倒くさいし、やはり働き始めるまでは親に従うしかないか。悔しいけど、やっぱお金は大事よねぇ、仕方ない模試でもするか。結局、全くもってチキンな結論にいたったわけである。ただ、しばらくはああいう電話の切り方をした手前、癪だから連絡をとらずに様子をみることにした。


すると二日くらいして電話がかかってきた。全部無視。翌日も無視。翌々日の朝くらいにまた掛かってきたので、さすがにそろそろいいか(何がいいんだって感じですが)ーなんて思って電話に出た。さて、どんな雷が落ちるだろうか。平謝りするか。


ところがである。親は久々に電話に出た僕に雷を落とすどころか、
「あ、出た出た。よかったー」である。
「どうしたの?」
「ほら奈良の医者の息子の事件あったでしょ。ちょっと怒りすぎたかなと思って」
なんてチキンなんだ、俺の親!模試出せと言ったくらいで、息子が実家に火をつけるとでも思ったか!東京にきて頭狂ったとでも思ったか!単に家が近いだけだ!(私の実家は奈良の医者です)


あーなんでこんな親に今まで反抗しなかったんだろう。こんな親だから子がこんなことになるんだな。