病と生きる

先日実習中に顎機能検査というものがありました。普段は基本傍観者を決め込むんですが、その日は原因不明に朝から妙な気分の高揚があり、自分でも信じられない積極性が発作的に生じ、気づいたら被験者を志願していました。今から思えば神のお告げだったんだと思います。


顎の動きをマウスピースにつけたモーションキャプチャで測ります。不格好な姿になったまま、班員にニヤニヤと微妙な視線を送られながら、私は大きく顎を動かしたり、ガムをかまされたり、なすがままプレイ(?)を強要されました。「ふむふむなるほど。」とばかり、ちょっときつい感じの女医は一人僕の顎の動きを解析してほくそ笑んだままなかなか種明かしをしてくれません。


やっとマウスピースから開放されてから、女医がねちっこく説明しました。
「ほら、ここの動きみてごらん、ちょっと動きが止まっているところがあるでしょう。」
「えっ!」
「ほら、ここ。」
「これ異常なんですか!?」
「正常な人の見てみますか。これ去年の人のなんだけど、滑らかでしょう。ほらこの人も。」
こういった調子で女医は私を弄ぶかのごとく、だんだんじわじわ私の診断の種明かしをしていきました。

「ずばり言うと顎関節症の復位性前方転位よ。これは。」
「がーん!」

つまり僕の顎をX線透視下で動かすと、下あごの骨の先っちょが関節から出たり入ったりしているらしい。頬杖をついたり、歯ぎしりしたり、噛むとき妙に力いれたりするとなるらしいのです。そういえば大分昔から噛むとき顎が外れるんじゃないかとふと不安になるときが何度かあったがそういうことだったのか。そういえば、たまに顎開けるときクリック音がするような気もする。ちなみに有効な治療法はこれといってなく、場合によっては手術なんてことも!ひゃあ勘弁してください。ま、もちろん症状がきつくなければ経過観察でもよさそうだが、なんだかその日以来顎関節のところのこわばりを感じるようになってしまいました。知るということは恐ろしいことです。

私の病気

今まで発見された私の病気をおさらい。
側弯症
顎関節症(3型、復位前方転位型)

良性労作性頭痛(別名:水泳時頭痛)
アレルギ−性鼻炎
齲蝕(むしば、なんとか結節とかいうのが折れたせいで一気に歯髄までやられてしまった)
埋伏智歯

実はどれも対した病気ではないんだけど、こうして並べてみるとやばいんじゃないかって気もしなくもないねぇ。
むやみにやたらに病名つけるのは決していいことではないのだ。