男心も秋の空のように変わるのか

今週産婦人科で実習していたのですが、T大学病院は子宮内膜症の患者が多いのです。子宮内膜症っていうのは女性の15%までもが持っていると言われる大変コモンな病気です。子宮内膜組織が子宮外にでき、月経周期に応じてそこから出血し、痛くなったりします。組織が成長して嚢胞を作ったりもします。そこから癌が生じることもまれながらあるようです。


原因がよくわかっていません。月経血が逆流するとか色んな説がありますが決定打はありません。卵巣や腹腔内に生じるのが一般的ですが、肺なんかにもできたりします。変な病気です。私がついた先生によると、子宮内膜組織に成長する幹細胞が血液中を循環し、ある刺激のもとに間質に移行して、子宮内膜組織として増生していくというストーリーもあるそうです。なぜ子宮内膜組織がそういう循環する幹細胞を持たねばならないのでしょうか。やっぱり変な病気です。


子宮内膜組織の特殊性はエストロゲンプロゲステロンといったホルモンに反応してしまうというところにあると思います。そしてこれらのホルモンバランスが月経周期によって大幅に変わります。子宮内膜症の症状は、このホルモンバランスの周期性に依存します。


月経によるホルモンバランスの劇的な変化が、子宮内膜症に影響しているのは間違いありません。そしてこの変化は子宮内膜症以外にも様々なことに(精神的なものも含めて)影響していることもその受容体の分布や、効用などを考えるとおそらく間違いないでしょう。女性の皆様がその大きな波を乗り切って生活していらっしゃることに敬意を表したく思うとともに、なんていうか、ああ女心と秋の空っていうあれはホルモンなんだよな、と新たな思い込みをが生じ、その思い込みによって過去の色んな出来ごとに注釈をつけたりしている一週間でした。


ちなみに男でもエストロゲン製剤とかやっていると子宮内膜症になってしまうようです。男にも幹細胞があるということでしょうか?そしてイソフラボンは大丈夫なのだろうか?