はじめてハイパーベンチになりました。

eupketcha2009-12-28


先週木曜午前3時、突如として身体が寒くなったと思いきや、がくがくと震えが止まらなくなった。息がぜえぜえあがって、ベッドの上で思わず悶え叫ぶ。ううううあー!!!!苦しい!!!このまま死ぬんじゃなかろうか。手足がしびれる。
死の恐怖に怯える旧皮質をよそに意外にも冷静な新皮質は鑑別診断をあげていく。虫垂炎?お腹を触ってみるが、マックバーニーは陰性だ。椅子に座る時間が長かったからまさかPEか?胸は苦しくない。脈は触れる。酸素モニターがあればなあ!全身の筋肉が壊死にでも陥っただろうか。しかし、どこも痛くない。というか、震え意外は何ともないのに、妙に死が恐ろしいのだ。私は自分がHyperventilationに陥っていると悟った。
しかしこの過換気発作、「精神的な不安」から来るという割には、こんなに冷静に診断しているにも関わらず収まってくれない。悶え震えながら「ハイパーベンチだ!これがハイパーベンチだ!」と息も絶え絶えに叫び、死の恐怖におびえて布団にくるまった。
ペーパーバックまで試みて発作が落ち着いたところ熱を測ってみると39度。早速某T大病院へ向かった。午前5時。看護師はあからさまに嫌そうで「どうして自分の病院に行かないんですか」とジャブをくらわしてくる。だって遠いんだもんさ。これみよがしに執拗に鼻をこすられた。遅れて現れた内科当直医師もあからさまに疲れ顔なのでもう登場した瞬間から謝っちゃった。「お忙しいところすみません。」
インフルは陰性であったものの感度2割なのであてにならず。インフルエンザ扱いで1週間休むことになった。仕事納めもスルーで、そのまま年末休みへ突入。神様有り難う。
どうやら今回はインフルあるいは何らかの熱病による急性発熱から来る「過度の不安や緊張」から過換気発作を起こしたようである。腑に落ちないのは眠っている間に起こったこと。眠っていても不安や緊張を感じるのだろうか。しかも覚醒してからあれほど冷静に自分が過換気だと確信しながら、過換気は収まらなかった。そんなことあるのか。妄想が広がっていく。
インフルエンザが何で熱が出るかというと脳の視床下部にある温度中枢がやられるからみたいなことを聞いたことがあるが、同様に呼吸中枢とか、情動の中枢がやられてしまうこともあるのかもしれない。制御がきかない不安が無意識に生じ、過換気発作が眠っていても突如生じてしまったのではないか。
5日目にしてすっかり解熱してしまった。休みも身体の静養と言ってられた初期はいいが、今や元気になって今度は身体と精神のギャップに憂鬱な風がさしこんできた。年末の忙しい時期にぬくぬくと休みやがって!どうしようもない役立たずめ!家の窓から黄昏時の空を眺めて「僕の脳はウイルスに乗っ取られております」と一人つぶやいてほくそえむ末期であった。