沖縄礼賛3

eupketcha2006-08-31


もう三回目にしていまだカプセルホテルなんかの話で恐縮だが、ここ漫画も充実していた。漫画の並べ方が、ジャンルで並んでいるのがちょっと変わっていた。たとえば「BJによろしく」と「Dr.コトー」と「医龍」が同じ棚というように。そして、なぜか「ヒッチコック映画術」(トリュフォー)が燦然と輝くかのごとく、大事に飾られているのであった。(沖縄礼賛1参照)


朝食会場はどれだけ目の玉を広げて捜しまわっても、食べられそうなものはと言えばパンとバターだけだった。
「まあこんなもんかねー。」と昨夜練習した沖縄イントネーションでつぶやきながら、焼けるだけパンを焼いている。
まだ泡盛が頭の中で暴れている。


ナビィの恋 [DVD]


DVDコーナーに置いてあるハリウッド製アクションに埋もれてナビィの恋を発見した。早速パンをほおばりながら鑑賞してみた。時間の都合で最初の方しか見れなかったけど、普通にいい映画だ。つづきが気になる。なんといっても西田尚美がいいよ。そういや、高校時代は「ひみつの花園」見てすっかりファンになってしまったが、「ナビィの恋」はちょっと汚れ役っぽいなと予告編で察知して馬鹿純真としては見るのをためらったという、なんだか今から思うととてつもなく恥ずかしい経緯まで思い出して、一人感傷にひたってしまったよ。


♪わたしが、あなたにほれたのはー ちょうど じゅうくのはるでーしーたー♪
挿入歌、十九の春をひとりうたいながら、車を走らせる。


最初の目的地は、いきなりだが、お土産を買いに、瑞泉の蔵元へお邪魔した。泡盛の作り方を見学したあと、試飲会。でももちろん運転手は飲んではいけませんということで、同席していた家族連れの、いかにも泡盛好きそうなお父さんと二人で、くやしそうに香りだけ楽しんだ。まあ瑞泉なんてうちの大学のキャンパスでも買えるわけだが、とりあえず那覇近くにある有名な蔵元がここしか思いつかなかったんで、ここで買った。しかし工場周囲はむんむんと泡盛の香りがたち、もう今検査されたら十分引っかかりそうな感じだ。このへんに住んでる人は泡盛好きじゃないとやってらんないだろう。





次にひめゆりの塔へ。実はいったことなかったんだ。一応医師になる前にいっておいてよかった。修学旅行の高校生が泣いている。
「あんた東京の人かね」
「はあ」
「ちゃんと語り継いでね」
「は、はい」
ところで、ひめゆりの塔周囲には記念館しかないので、ちょっと残念だと思った。なんというかなぜか海が見えると思っていたんだが、見えなかった。聞いてみると、すぐ海に行けるらしいので、折角なんでそこまで行ってみた。行ってみると、ちょっと足場が悪くて、浜辺もないし、なるほど地元の人しか知らない感じだ。しかし、なんというか、黒々とした磯が見渡す限り続いている。よく見ると、ずーっと向こうからこっちまで、大体500mおきくらいに人が立っていて、どうやら海ぶどうか何かを集めている。なんというか、この世の果てのような雰囲気だ。ひめゆり部隊の人たちもこういう景色を見ながら、自決していったのかな。波打ち際まで行こうとしたら、足場が悪くてこれが大変だった。あまり早く歩くと滑って磯と磯のあいだに落ちてしまいそうで、ゆっくりとしか進めない。すぐそこに波打ち際が見えているようで、意外に距離があって、なかなかたどりつかない。そうかと思えば、振り向けば車を置いてあるところから大分離れている。ちょっと大変なことになってしまった。だんだん不安になってきた。しかし今更引き返すのも悔しいので、そのまま歩を進める。日は丁度南中のころで、ひどく汗をかいてきた。半径500mほどには誰もいない。ただ遠くで相変わらず海ぶどうをとる人影が見えるだけだ。半時間ほど、牛歩を続けてやっとたどりついた。足元にたくさん雲丹が居た。よく見るとその先もまだまだ磯が続いて浅瀬になっていく。波を見ていると次第になんだか怖くなってきた。そろそろ帰ろう。





また牛歩で帰る。また半時間も格闘するのかと思うと少し気が滅入るが仕方ない。あまりもたもとして潮が満ちたりしたら大変だ。ゆっくり、ゆっくり。すると行きは気付かなかった磯の中に、深いところがあって、そこにたくさん奇麗な魚が泳いでいる。お、お、いいところだ写真をとろうと、カメラをかまえて前に進み出たとき、足元をあまり見ていなかった。摩擦の低いところに足をかけ、バランスを崩して、体が宙に浮いた!


つづく