buccinator muscle

頬筋。起始・上顎骨と下顎骨の歯槽突起の外側縁、翼突下顎縫線。停止・口輪筋に続く。顔面神経頬筋枝支配。
 この筋を使うと、上と下の奥歯の方向に向けて、頬とか口とかが吸い寄せられます。別名ムンクの叫び筋(嘘)。これ、何に使うんですか?口に誤ってものをいれすぎてしまったときに、口が裂けないように補強するためでしょうか。あるいは悪い奴が無理矢理変なものを食べさせようとしてくるので、必死に抵抗して口を閉じるためでしょうか。はたまた面白い顔をして他人を喜ばせるためでしょうか。教科書を見てもよくわかりませんが、色んな筋肉の発達がおかしい私でもどういうわけかこの筋肉だけは立派に育っているようで、自分で吹き出してしまいそうな顔を作ることだけは不自由しません。


ちなみに、この頬筋の上に被さるようにして、笑筋 risorius muscle という素敵な筋肉があります。こんなこと教科書には書いてないのですが、多分この筋肉を収縮させたとき、その短縮によって生じる顔面の陥凹がうまくいくとエクボになって、「ニコッ」と形容したくなる笑い顔になります。僕の場合はどうしても「ニヤッ」とか「グヘッ」といった感じになります。笑うと下のまぶたから頬にかけて、不気味な皺ができるからです。色々試して、その皺を強調させると最後には下の瞼が閉じてくることに気づきました。まさかと初めは思ったのですが、僕は何と笑うときにどうやら眼輪筋(目を閉じるときに使う筋肉)を使っているようなのです。


鏡をみて、何とか笑筋だけ動かす練習をしてみました。エクボはできませんが、前よりはまともな笑顔に見える気がします。しかし僕としては全然笑っている感じがしません。もう四半世紀近くに渡ってわたしは眼輪筋を使いながら「笑う」を定義つけしてきたわけですから、違和感あって当然と言えば当然でしょうか。思えばスポーツできないのもそうですが、まだ神経の可塑性がある3歳までにちゃんとした筋肉の動かし方を覚えなかったような節があります。両親ともばたらきで、祖父も働いていたし、祖母も忙しくしていたし、家政婦とかいませんし、姉とはトランプくらいしか遊んだことなかった。幼稚園行くまで外で遊んだことなかったし、ひょっとしたらまともに笑う人が周りにいなかったかもしれないな。独自の体の動かし方とか、独自の笑い方を孤独に身につけて行ってしまったかもしれないな・・・・。え、被害妄想?そうですか。僕もそう思います。