鯨の夢

eupketcha2011-05-14


(変な夢を見たので覚書。)数人で小型の船に乗っている。船の窓から海をのぞくと、大きな鯨が横を泳いでいるのが見えた。どうやら船は鯨によってコントロールされているらしい。そして我々はこの鯨の発生する磁界のようなもので船に監禁状態になっているらしい。食堂のようなところに集まって、みんな疲れ切っている。カウンターに立つ、マスター風の、爺さんがいる。度の強そうな眼鏡をかけている。どうやらこの胡散臭い爺さんが、鯨の化身のようである。我々を鋭い眼光で見つめている。この人がいるとみんな逃げ出す話は口に出せない。ただ疲れて、酒を飲んだりしている。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
ある日、港に着いた。我々は意外にもあっさりと街の中に逃げることができるが、鯨の発生する超音波が、聞こえるわけないのだが、なぜが聞こえてくる、我々にだけに聞こえてくる。気付けば我々はまた船の中に自ら舞い戻っている。
また別の日に港に着いたが、誰も恐ろしくて逃げ出さない。ところが、我々の仲間の、もっとも年端のいったおっさんが、ふと窓の外のまちのなかにある散髪屋を指さして言う 
「あそこで散髪してくる」と言い、ニコリと笑うおっさん。
みんな一瞬空気が凍り付く。そんなことしても無駄なはずだ。鯨からどのような報復を受けるかわからない。しかしおっさんの笑みには自信があふれているように感じた。それが妙に恐ろしい。何か恐ろしいことを思いつているようだ。平然と船を下りていくおっさん。
そしておっさんは帰って来なかった。本当に散髪屋に行ったのかどうかも分からない。逃亡に成功したのかもわからない。鯨に殺されたやもしれない。あるいは自ら・・。空っぽの理髪店が、空しく回る白赤青のストライプが、そして鯨の眼がフラッシュバックする。そしてまた船は進んでいく。